上田映劇は大正時代に創業した映画館。既に100年以上の歴史があるシアターです。
ひと昔前は映画と言えばここだったわけで、昭和生まれの上田市民にとっては懐かしさいっぱいの場所ですよね。
かくいう私も学生時代は常連でしたし、初めてのデートがここでの映画だったりもします。
さて、今回こちら上田映劇で、ドキュメンタリー映画「ボケますからよろしくお願いします」を鑑賞して参りました。
映画の評価はともあれ・・・
ものすごく久しぶりに来た映劇、昔のままの姿に感動を覚え、とても嬉しかったですね~。
大正時代を思わせる劇場内の天井を見て改めて驚いた次第です。
そんなわけで、上田映劇内部の様子を懐かしさ一杯でご覧いただければと思います。
映画の感想もちょびっと入れてみましょう~。
上田市「映劇」
上田市中央、繁華街の通りに見える上田映劇、正しくは「上田劇場」と呼びます。
大正6年、以前は芝居小屋だった場所が「劇場」として開館。旧帝国劇場と同じデザインの天井を持つ華やかな劇場として生まれたのでした。
以来多くの方に沢山の映画を届ける役割を担ってきました。
長い間上田市民に親しまれてきた上田映劇ですが、時代の流れとともに廃れ、ついに2011年、上映中止となってしまいます。
その後貸館として寂しい様相を呈していた上田映劇。
わびしい姿はいたたまれなかったですが、2017年にNPO法人「上田映劇」が発足、現在はコミュニティシアターとして再び定期上映を行うようになりました。
ただし、今時の映画館が上映する派手な映画を上映してはおらず、懐かしい映画や、若手監督の作品、コアな作品などが中心です。
アリオの東宝シネマズもいいですが、こういうレトロな映画館も味わいがあっていいよな~。
映劇内
ここは劇場外の切符売り場。チケットじゃなくて切符です。
昔はここから映画の切符を並んで買ったものですが・・・。中からお姉さんが顔出して販売してましたね。
結構愛想の悪い人もいたような記憶がありますわ・・・(*ノωノ)
で、今はなぜかこのように中で切符を買うようになってます。
結構お客さんが来られていて驚きましたが、レディースデイだったのが影響しているのかもしれません。(毎週水曜は女性¥1,100)。
それにしても・・・・映劇の中は昔のまんま。
赤い分厚いドア、緑の壁、昔チックな床の柄とか。
ストーブが赤々と燃えているのも「いい感じ~~~」。
2階席へと続く階段。
使われてはいなかったですが、ちょこっと上ってみました。
なんか昔の小学校みたいな感じですね、すごくレトロだ~~。
1階奥、トイレに通じる通路です。
トイレはいきませんでしたが、きっと昔のままなんだろうな。
タイル張りで、ちょっと匂う…(笑)。
映画の途中でトイレに行きたくなるのが嫌だったな~、デートの時とかね。でも我慢できなくてこの通路側の出入り口からコッソリ行ったな・・・。
何故浅草と書いてある?
忘れてましたが、上田映劇は「あさくさ雷門ホール」となってます。
建物となりには「あさくさストリップ劇場」という看板も。
上田なのになぜ浅草なのか?というと、「晴天の霹靂」という映画のロケに使われたからです。
劇団ひとりさん監督で、40年前にタイムスリップした男性を描いた作品。
そのロケに使われた映劇周辺が、昭和の浅草そのままの姿を残しているという訳なんですね。
素敵だし面白い。
劇場内
全270席のシアター。
ちょっと白黒っぽく撮ってみました。
ツルツルした椅子はバネ式で、体重をかけないと上にたたまれてしまうもの。これも懐かしい、しかも朱色。
前に背の高い人が座ったらよく見えないんですよね。傾斜が緩やかすぎるんです。
中の匂い、これがやっぱり古めかしくて懐かしかった。天井の照明や細かい細工が大正ロマンを感じさせます。
映画は宣伝など一切無し。いきなり暗くなってからすぐに始まりました。
ドキュメンタリー映画「ボケますからよろしくお願いします」
監督は信友直子。
彼女の両親の老い、アルツハイマーと診断される母と、面倒を見る父の日常を映画化した作品です。
ドキュメンタリー映画で、普段の生活を隠すことなく映し出す、ある意味衝撃的な映画でした。
洗っていない洗濯物を床に広げ、そこで寝る母、それをまたいで歩く腰の曲がった父の姿。
笑える場面でもあり、また、恐ろしくも悲しくも感じた場面でした。
自分自身も、周りの人も、いずれ誰にでも訪れる「老い」。なんとなく怖くなり、改めて色々と考えさせられる映画でしたね。
撮影されていた監督ご本人の気持ちはどんなものだったのか・・。自身の両親ですから。
私の前に座っていた女性、ずっと涙をながしておられました。
ご興味ある方は是非ご覧になってみて下さい。
上田映劇詳細情報
*所在地
長野県上田市中央2-12-30
*電話番号
0268-22-0269
*上田映劇公式ホームページ(上映スケジュール確認など)
*場所
まとめ
上田映劇にお出かけの際は是非、天井を見てみてくださいね。
レトロな雰囲気を感じながら映画を観るのも良いものですよ~。